無とは何もないこと

総てがないのではなく「無」という状態があることずら

無駄に動くアニメには原始的な"面白さ"があるはず

今期アニメの『お兄ちゃんはおしまい!』は無闇矢鱈と動く。アホみたいに動く。

EDのピザを取り分けるところとかサビとか何度見ても笑ってしまう。

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アニメーターは「ぬるぬる動く」はあまり好ましく受け取らないと言われている。枚数を増やせば動くのは当たり前で技量の良し悪しとは逸れるためだとか。 本筋とは関係ないがビデオゲーム業界ではインタラクティブな操作のために高いフレームレートを維持するのが望ましいので「ぬるぬる動く」は褒め言葉として使われている。

そうはいっても無闇矢鱈とぬるぬる動くアニメーションからは言い表しがたい面白さを感じてしまう。ハッキリ言っておにまいのEDの動きなんかめちゃくちゃ気持ち悪いのだが動いているという一点で謎の爽快感がある。むしろ気持ち悪いのが気持ちいいのかもしれない。

思い返せば ズートピアの感想 でもボロカス言いながらも受付スタッフのナマケモノノロノロとフレームレートの無駄遣いをするかのように動くシーンだけは文句なしに良かったと褒めていた。

『白雪姫』や『ピノキオ』など往年のディズニー作品はフルアニメーションなのでそれはもう動くのだが、不思議なことに現代の作品と違い笑いはこみあげない。ただ目を引かれるのは確かでもある。よりこちらのほうが原始的面白さに近づいているような気もする。

おにまいやズートピアに比べると写実的だったり「マルチプレーン・カメラ」によって実写特撮的な効果がもたらされているので実写に近い認識をしているのかもしれない。

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それはさておき、やたらと動くアニメの気持ち悪い気持ちよさはAI動画によって広く用いられるようになるかもしれない。気持ち悪い動きこそが気持ちいいという逆説的な作りをもっと見たいようなどうでもいいような……そういう気持ちが少しはあるような気がした。