無とは何もないこと

総てがないのではなく「無」という状態があることずら

「擦る(コスる)」の「同じ話を何回もする」の用法は芸能用語でしょ

このブログなどによると、「格ゲー」で「(何も考えず)ボタンを連打する」という用法から派生して表題の意味の「擦る」が使われているという説があるらしい。

noroue4.hatenablog.com

熱心なバラエティファンだったら普通に知っている用法で、上記のブログで取り上げられている2020年なんてレベルではないかなり前から使われている芸人用語なはず。

「格ゲーの用法から派生して~」というのに無理を感じるのは、上記のブログでも出ているような「同じ漫画を擦る」といった少し異なる用法があまり見られないところ。

芸人用語としては「ネタを擦る」「100回は擦られた話」のように「同じことを話す」という用法なので対象は話題に限定されている。対して、格ゲー用語だとボタンを押すという行為をさしているので対象は動作になりえて「繰り返し~~する」くらいの意味合いに転じる方が自然に感じる。

つまり、格ゲー由来なら

  • 同じ本を擦る(繰り返し読む)
  • 毎日のようにすき家の牛丼を擦る(食べる)

のような使い方がもっと広まっていないとおかしくないだろうかと感じてしまう。

そうなっていないので、「同じ話を繰り返す」という意味で使われていた芸人用語がなんらかのきっかけで広まったという流れの方がはるかに自然だと思う。

本題終わり

用例の調査

以下、用例の調査

2016年放送の『にけつッ!!』の放送(のネットニュース)にはこのようなトークもある。

焼き鳥店での収録が始まると、ジュニアは「他所で散々こすったお喋りはいりません」と、ゲスト陣に本音トークを要求。

千原ジュニアはいかにも芸人界隈だけの用語を使ってそうな芸人なのでやっぱり使っているよなという安心があった。

2011年の『マツコ&有吉の怒り新党』の感想ツイートでも有吉が使っているというものや原田専門家(陣内智則のネタを作ってる人)が使っているものなども確認できる。

さらには、2010年のYahoo知恵袋の投稿に ダウンタウンの浜ちゃんや千原ジュニアが、「擦る」という言い回しをしていました というものもあった。

芸人以外の使用例も調査すると、2018年の諏訪部順一のツイートがヒット。もう少し広い芸能用語と言ってもいいのかもしれない。